「Remote Year」(https://www.remoteyear.com/)をご存じでしょうか。リモートイヤーは、世界で最も規模が大きいリモートワーカーのための体験型コミュニティです。それぞれのデジタルノマドにとって最適な、1週間から1ヶ月、1年といった期間に応じた数々の「旅」プログラムを提供。リモートワークと旅の両方を経験することで、人間的にさらなる成長と変化を生み出すことを目的としています。ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アジア、そしてアフリカにおいて実施されています。
リモートイヤーとはいったいどんなプログラムなのか?
Remote Year(リモートイヤー)は、旅で自国以外を訪れることで、地元の人々との交流、食事などを通じ、大きな影響を受けるのと同時に、世界のいたるところでリモートワークをすることで、オフィスで仕事するよりも刺激を受けることができるとしています。さらに、人生を一変させ、自分の可能性を超えることができるとも。
リモートイヤーが用意するプログラムの期間は、1週間の「Retreat」から、1ヶ月の「Trip」、さらに4ヶ月または12ヶ月(1年)の「Journey」があります。各リモートワーカーのニーズに応じて、参加期間そして目的地を選ぶことができます。Community(コミュニティ)という国境を越えた共通の価値観や目的を持つ人々と交流できるのも、リモートイヤーが持つ強みの1つです。
リモートイヤーの体験プログラムへの参加方法は?
体験プログラムへの参加方法は、まず、リモートイヤーの公式サイトから申し込む必要があります。その際、いくつかの質問に回答します。実はこれが参加するための審査です。後日にカスタマーサクセスチームからテレビ電話で審査結果、参加の可否が伝えられます。
プログラムへの受け入れ先が決まった時点で、参加するための準備が始まります。リモートワークが可能な職業であることが最低条件です。
リモートイヤーが提供する「旅」の内容やかかる費用
実際にどのようなプログラムが用意されているのでしょうか。4ヶ月でアジア4ヶ国を体験するプログラムを例に、その詳細を紹介します。
体験する国・都市は、タイのチェンマイ、インドネシアのバリ、ベトナムのハノイ、日本の大阪です。現地でリモートワークをこなしつつ、チェンマイで古代寺院を訪問したり、大阪で屋台グルメを堪能したり、バリではマリンスポーツで波に乗る、ハノイの街を散策するといった、それぞれの場所ならではの魅力が載っています。
そして、3000以上もの新たなコミュニティに加わることができる強み、仕事においてもプラスになるといった文言が並びます。さらに、参加者の年齢が21歳から77歳、LGTBQ(性的マイノリティ)の参加者も17%いるなどの記載も。
参加費に含まれているのは、快適な宿泊施設、24時間365日アクセスできるワークスペース(仕事場)、コミュニティのリーダーや地元のチームとの交流、健康や安全のサポート、キュレーション(厳選)されたローカル体験、そして、地上の交通費および航空券の代金です。仕事場に関しては、中心に近い立地や信頼性が高いWi-Fiなども付記されています。
体験時期は、2022年の5~8月の4ヶ月のほか、8~11月、11月~翌年2月の3つ。気になる費用は、4ヶ月分が毎月2250米ドル、総費用は12000米ドルとのこと。日本円に換算すると1ヶ月あたり約25万円、総額で約140万円です(1米ドル=約115円)
その他、ギリシャ・アテネやトルコ・イスタンブールなどに1ヶ月、ラテンアメリカ4ヶ国で4ヶ月、さらに世界12ヶ国で1年といったプログラムも。1週間の「Retreat」だと、行き先がイスラエル・エルサレムの山々、ポルトガル・アゾレス諸島、南アフリカ・ケープタウンなど。
他のプログラムにはないリモートイヤーが持つ魅力の数々
似たようなデジタルノマド向けの旅行を通じて体験するプログラムに「Hacker Paradise」(ハッカーパラダイス)があります。リモートイヤーが、航空券をはじめとした交通費や食費などが含まれたパッケージで販売されている一方、ハッカーパラダイスはそれらをすべて自分で手配しなければいけません。ハッカーパラダイスがもっと短期間でも参加できる一方で、リモートイヤーはやや長めの参加期間であるなどの違いがあります。
起業家のGreg Caplan氏が2014年に創業した、リモートイヤー。冒険好きのリモートワーカーを世界中から集めてグループを形成し、さまざまな目的地を旅しつつ、社会人として成長するのを目的としてきました。参加費はやや高めに感じられる一方、旅に出ている間の固定費はほぼかからず、高度な労働環境や生活空間が用意され、さらに旅行先での文化体験は何事にも代えがたいもの。そう考えれば、デジタルノマドにとって参加する価値があるという人は確実にいるでしょう。